リバーレースとラッセルレースの8つの違い!特徴やメリット・デメリットなども詳しく解説 – Le La Sa スキップする

リバーレースとラッセルレースの8つの違い!特徴やメリット・デメリットなども詳しく解説

洋服や小物につけるだけで華やかでエレガントな印象を与えるレース。


レースには大きく分けて機械レースと手編みレースがあり、その中でもいくつかの種類に分かれます。


機械レースといえば、もっともランクが高いとされるリバーレースがありますが、ラッセルレースとよく似ているため、どのような違いがあるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。


この記事では、リバーレースとラッセルレースの特徴や両者の違いを詳しく解説します。


レースが好きでこだわって選びたい方や手芸やハンドメイドでレースを使用する方は、ぜひご覧ください。

リバーレースとは

『レースの女王』などと称されるリバーレース。高級レースとして知られていますが、どのような特徴があるのかご存じですか?


ここでは、リバーレースの特徴とメリット・デメリット、使われ方を紹介します。

特徴

レースの原型ともいわれるリバーレースは、手工業の時代から王侯貴族に愛され、機械織りとなってからも多くのオートクチュール・メゾンやオーダーメイドのウエディングドレス、高級ランジェリーなどに使用されてきました。


その特徴はなんといっても、芸術品ともいえる非常に繊細で優美な模様です。


熟練の職人が専用のリバーレース機を使って2万本の糸を撚り合わせて織ることで、複雑で立体感のある美しい模様をつくり出しています。


また、現在はリバーレース機自体が新たにつくられることがありません。世界の限られたメーカーしかリバーレースをつくることができないため、生産量が少なくなっていますが、その繊細な美しさに魅了される方も多く、現在でも高級レースとして高い人気があります。


リバーレースができるまでの詳しい工程は、こちらをご覧ください。


Le La Saのリバーレースができるまで

メリット

リバーレースには以下のメリットがあります。


  • 高級感がある
  • 模様が複雑で繊細
  • デザインのバリエーションが豊富
  • 希少価値が高い

リバーレースのメリットは、なんといっても唯一無二の高級感です。


レースの模様を複雑で優美なものにするのは、使われている糸の本数の多さだといわれていますが、リバーレースは2万本もの糸を使っています。糸を撚り合わせて1本にしながら編んでいくことで、他のレースにはない複雑で繊細な模様が生み出されています。


また、リバーレースは花や葉などをモチーフにしたものから幾何学模様まで、デザインのバリエーションが豊富です。


デザインから仕上がりまで熟練の職人の手作業が必要な工程も多く、大量生産ができないことから、希少価値が高いレースを好むこだわりのある方々に愛されています。

デメリット

リバーレースには以下のデメリットがあります。


  • 高価である
  • 手洗いしなければいけない

高級感があり希少性の高いリバーレースですが、その分高価になってしまうため、気軽にたくさん使えないことがデメリットです。


また、非常に繊細な生地であるため、洗濯の際は洗濯機や乾燥機が使えません。中性洗剤やせっけん、弱アルカリ性洗剤などを溶かしたぬるま湯で軽く押し洗いし、十分すすいでから陰干しするなど、丁寧に手洗いする必要があります。


お手入れの仕方によっては、破れてしまうこともあるため、取り扱いには十分注意しましょう。

使われ方

リバーレースがよく使われるのは、オートクチュール・メゾンやプレタポルテ、オーダーメイドのウェディングドレスやベール、高級ランジェリーなどです。


手芸やハンドメイドでも、ウェディングドレスやベールだけでなく、ドールドレスやペットの服、ティッシュカバー、マスクなどに使われることがあります。

ラッセルレースとは

普段手に取ることも多いラッセルレース。手芸などが趣味の方は馴染みのあるレースかもしれませんが、その特徴についてはあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。


 ここでは、ラッセルレースの特徴とメリット・デメリット、使われ方を紹介します。

特徴

ラッセルレースは、もともとリバーレースを手に取りやすい価格にするために生まれたレースです。


ラッセルレース機という専用の機械で作られるレースの総称で、編み機を使って高速で編みながら柄を出していくため、薄くて平たい仕上がりになるのが特徴です。


また、リピートするような柄模様をつくるのが得意で、大量生産に向いていることなどからも、現代の機械レースの代表ともいえるでしょう。


現在は技術の発展により、限りなくリバーレースに近い高級感のあるものもつくれるようになっています。


一般的にリバーレースによく似たものを『ジャカトロニック』、落下版といわれ、柄糸を浮かせてつくるものを『テキストロニック』と呼びます。

メリット

ラッセルレースには以下のようなメリットがあります。


  • 比較的安価で手に入る
  • 模様の選択肢が多い
  • 薄くて凹凸が少ない
  • 使用用途が広い

ラッセルレースのメリットは、比較的安価で手に入ることです。大量生産が可能なため、誰でも手に取りやすい値段で販売されています。


また、花や葉などのモチーフから幾何学模様までさまざまな模様を編めることも、ラッセルレースのメリットです。


つくりたいもののイメージに合った模様が選びやすく、生地自体も薄くて表面の凹凸が少ないため、扱いやすく使用用途が広いといえるでしょう。

デメリット

ラッセルレースには以下のようなデメリットがあります。


  • 高級感に欠けるものも多い
  • ごわつきを感じるものもある

ラッセルレースはリバーレースを安価でつくるために生まれたレースですが、使用する糸が約5,000本であることから、模様の繊細さがリバーレースよりも劣るため、高級感に欠ける場合もあります。


また、生地によってはごわつきを感じるものも。特に海外製のものは手触りがゴワゴワしているものも多いため、ラッセルレースを使用した製品を購入する際や手芸などで使用する際は、実際に手に取って選ぶとよいでしょう。


なお、ラッセルレースに限らず、レースは取り扱い方によっては破れやすいです。引っ掛けないように注意し、洗濯ネットに入れるなどして洗濯することをおすすめします。

使われ方

ラッセルレースがよく使われるのは、ドレスやカットソー、キャミソールやブラジャーなどのレディースウエアや下着類です。


最近では使い方の幅も広がり、入学式や結婚式などのフォーマルなシーンや下着だけでなく、普段使いのカットソーの前身頃や袖口、裾などにも使われることも増えています。

リバーレースとラッセルレースの違い

類似製品として扱われることの多いリバーレースとラッセルレースですが、それぞれの特徴を知ってみると、まったく違うものであることが分かります。


ここでは、リバーレースとラッセルレースの違いをさらに具体的に解説します。

使用する機械が違う

リバーレースとラッセルレースは、そもそも異なる機械でつくられます。


リバーレースは専用のリバーレース機、ラッセルレースはラッセルレース機を使ってつくられるものです。


リバーレース機は1813年にイギリスのジョン・リバーが開発したもので、徐々に改良されてよりハンドメイドに近いレースがつくれるようになりました。



ラッセルレース機はもともと高価なリバーレースを安く早くつくるために考案されましたが、近年急速に技術が発達して高品質で繊細なラッセルレースがつくれるようになりました。

組織の成り立ちが違う

リバーレースとラッセルレースは、根本的な組織の成り立ちが異なります。


リバーレースはごく細い糸を撚り合わせながら作るレースです。リバーレース機がもつ約5,000枚のボビンが経糸と交互に動くことで、約2万本もの糸と絡み合ってつくられています。


また、熟練の職人が織り機を使って手工業に近い形でつくっているのもリバーレースの特徴です。


一方、ラッセルレースをつくるラッセルレース機は、径編機と呼ばれる縦に編んでいく機械の一種です。


両者とも糸レースではありますが、ラッセルレースの柄模様は編み組織からできているものであるため、糸を撚り合わせた組織から成るリバーレースとはまったく別のものだといえます。

完成までのスピードが違う

リバーレースとラッセルレースでは、完成までにかかるスピードがまったく異なります。


リバーレースはたくさんの糸を使用するうえに機械が織るスピードも遅く、しかも熟練の職人の手が必要です。そのため、織り上がるまでに長い時間がかかります。


しかしそもそもラッセルレースは、リバーレースを早く安くつくるために開発されたものであるため、編み機を使って短時間で大量につくることができます。

模様の複雑さが違う

リバーレースとラッセルレースは見た目が似ているレースですが、模様の複雑さがまったく異なります。


リバーレースは極細の糸をデザインに合わせながら2万本も使って撚りながら織っているため、複雑で繊細な模様を生み出すことが可能です。


また、リバーレースは『組み紐の原理』によって織り上がった模様が立体的でほつれにくくなっています。


一方、ラッセルレースは薄く平面的な仕上がりが特徴です。


リバーレースと比べて使う糸の量が少なく高速で編んでいくため、どうしても繊細さが劣ってしまいます。

ピコの出方が違う

ピコ(ピコット)とは、編み物やレースなどの端につける小さな輪っか状の縁飾りのことです。


18世紀後半にフランスの法廷で流行したフランス・アランソン地方発祥の『アランソンタイプ』と呼ばれるリバーレースなど、小さなピコで装飾されているものがあります。


ラッセルレースにもピコがついているものがありますが、両者はこのピコの出方にも違いがあります。


ピコがきれいに出ているのは、リバーレースです。


ピコの出方の違いは使っている糸の本数と作り方によって異なるため、糸の本数が多く手工業に近い作り方をしているリバーレースの方がピコがきれいに出ます。

使われ方の幅が違う

ラッセルレースとリバーレースでは、使われ方の幅が違います。


両者ともブライダルシーンや下着などでよく使われますが、リバーレースはその美しさから世界中のオートクチュール・メゾンのオートクチュールにも頻繁に使われています。


一方、ラッセルレースはブライダルシーンや下着の他に、レディースウエアに使われることが多いレースです。


リバーレースもレディースウエアに使われることがありますが、大量生産できるラッセルレースの方がより一般的に使用されています。

希少性が違う

リバーレースは現在リバーレース機自体が製造されていないため、世界で限られたメーカーでしか生産されていません。


また、つくるのに高度な技術を要するリバーレースは非常に多くの手間と時間がかかります。大量生産に向いておらず、必然的に流通する量も少なくなってしまうため、希少価値が高いレースとされています。


その点、ラッセルレースは大量生産に向いていて手に入りやすいレースです。希少性はありませんが、誰もが手軽に使うことができます。

コストパフォーマンスが違う

ラッセルレースはリバーレースを安く早くつくるために開発されたレースであるため、リバーレースと比べて圧倒的にコストパフォーマンスが高くなります。


具体的には、ラッセルレースはリバーレースの約3分の1以下の価格で購入可能です。


現在、ラッセルレースは機械の台数が増えて生産できる量が非常に多くなっていることから、価格競争が起きています。そのため、以前よりもさらに安い価格で手に入れられるようになっています。


一方、リバーレースは現在織り機が生産されていないため、人材育成をしながら1世紀ほど前のアンティークの機械を大切に使って作っているのが特徴です。


その分高価になってしまいますが、愛着をもって長く愛用できることを考えると、決してコストパフォーマンスが悪いとはいえないのではないでしょうか。

まとめ

リバーレースとラッセルレースは、両者とも機械レースの一種です。


しかし使用する機械が異なり、組織の成り立ちや完成までのスピード、模様の複雑さなどさまざまな違いがあります。


それぞれにメリットとデメリットがあるため、模様の美しさやコストパフォーマンスなど、自分が何を重視するのかで選んでみるとよいでしょう。


世界で唯一リバーレースのデザイン・企画から製品化までを一貫して行う栄レースが展開する『Le La Sa』は、リバーレースをもっと身近に感じ、多くの人に親しんでほしいという思いから立ち上げたオンラインショップです。


ぜひ伝統的で美しいリバーレースを日常に取り入れて、贅沢でアートに満ち溢れた日々を過ごしてみてください。


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